▼8か⽉ ぽぽ君のママ さんからいただいたお悩みです。

▼リモコン、携帯電話、掃除道具(コロコロ)など、 触らないでほしいものを何度注意しても欲しがります
上⼿に⾔い聞かせる⽅法、わかってもらえる⽅法が知りたいです

▼ご質問ありがとうございます。8 か⽉のぽぽ君。きっと元気いっぱいでしょうね。
⼦どもの遊びは⽇々広がっていきます。ネンネの頃には⽬で⾒える範囲で楽しんでいたものが、お座りになる
と範囲が広がりますね。そして、ハイハイ等で移動できるようになると、⾃分の興味を持った物に、⾃分で近
づいて⾏くことが出来ます。
そんな時、⼦どもが興味を持つものはなんでしょう︖それまでは、「⼦ども⽤に」と与えられるオモチャがほ
とんどだったことでしょう。それは、⼤⼈から⾒て⼦どもが好きそうなもの、安全に遊べるものであって、そ
の⼦どもが⾃分から選んだものではありませんね。
しかし、ハイハイや伝い歩きなどで⾃分で移動できるようになると、⾃分で⾃分の興味を持った物を選ぶよう
になります。
それは、⼤⼈から⾒て⼦どものオモチャに適している物ではないかもしれません。リモコンや携帯、掃除道具
などは本当なら⼦どもに触って欲しくない物ですよね。
けれども⼦どもはそんな物が⼤好き。何故でしょう︖まず、第⼀に⼦どもは⼤好きな⼈のことをよく⾒てます。
⼤好きで⾝近にいるママやパパがいつも使っている物を分かっているのです。そしてそれは、⼦どもにとって
はとても魅⼒的に⾒えます。
そして、⼦どもには本物を⾒抜く⼒があります。いくら精巧に作られていても、本物とオモチャの違いは分か
ってしまいます。もちろん⼦どもは本物が好きなのです。
更に、⼦ども達は⽬新しい物が⼤好きです。常に⽬の前にあるオモチャよりも、⽬新しい物に⼿が出るのは当
たり前のことなのですね。
こんな理由から、⼦ども達は⼤⼈が触って欲しくない物を欲しがります。
ここまでお話して、⼦ども達が⼤⼈が触って欲しくない物を欲しがるのは、当たり前のことだ、と分かって頂
けたと思います。
しかし「当たり前だ」と分かったとしても、触って欲しくない物は触って欲しくない︕のですよ。
だって、壊れたら困るし、いつも清潔にしている⼦ども⽤のオモチャでもないし、まして掃除道具なんて綺麗
なわけがないですよね。だって汚い所を掃除するためのものですもの。
では、触らせないようにどうすればいいのか︖
その為の作戦をいくつかご紹介します。

まず、簡単明瞭な作戦A【触って欲しくないものを⾒せない作戦】
触って欲しくない物を、お⼦さんの視界の中に⼊れない、という作戦です。魅⼒的な物が視界に⼊ると触りた
くなります。それで遊びたくなります。それならば、⾒せなければいいよ︕という作戦です。
ご相談のお⼦様ぽぽ君は 8 カ⽉なので、この作戦がかなり有効だと思います。ポポ君の⽬線よりも⾼い場所に
保管する、使⽤したらすぐにカゴや箱の中に⼊れて⾒えない状況にする、リモコンや携帯電話はこの作戦で何
とかなるかもしれません。

しかし、これはもう少し⼤きくなった⼦には有効ではありません。
何故なら、想像⼒・⾒通す⼒がついてくるからです。さっきママが使っていた携帯電話が、⽬の前から消えた
としても、どこかにある事が分かる、箱にしまっても蓋を開けたら取り出せることが分かる、そんな理解の進
んだ⼦どもには、ちょっと⾼い所に乗せたりしまうだけでは有効ではありませんね。

そこで、作戦B【他の物で代⽤する】
⼦どもが触って欲しくない物を触った時、他の物を代わりにすることも有効な作戦です。
代りにする物は、普段⼦どもが好きでよく遊ぶオモチャや、⽬新しいオモチャが良いでしょう。古いリモコン
や携帯電話をオモチャとして使⽤するのもいいですね。その際は、消毒をして万が⼀に備えて電池は抜いて使
⽤します。⼤きくなると、もちろん本物ではない事に気付いてしまいますが、しばらくは満⾜してくれるかも
しれません。

作戦C【全く違うことをする】
他の事で気をそらそうとしても、うまくいかない時も多々ありますよね。そういう時は、全く違う遊びに誘う
のも⼀つの⽅法です。
例えば、「外へ⾏こう︕」とか「かけっこよーいどん︕」とか。
気分がぱっと切り替わって、それまで欲しかった物のことを忘れてしまうかもしれません。
しかし、お⼦さんの様⼦は様々なので、その⽅法が有効かは分かりません。どの作戦がいいのか楽しみながら
試してみて欲しいと思います。
ここまでは、⼀⾒ポポ君ママの質問に答えたようで実は答えていません。なぜかと⾔うと、ポポ君のママは
「上⼿に⾔い聞かせる⽅法、わかってもらえる⽅法が知りたい」と⾔っています。

でも私が答えたのは、『触らせない⽅法』
何故それを答えたのかと⾔うと、相⼿は産まれてからわずか 8 カ⽉しか経っていない乳幼児。
⾔い聞かせる、や理解してもらうことはなかなか難しいものです。この場合の⽬的は何でしょう︖

『⾔い聞かせる事』が⽬的なのではなく、『触らせないこと』が⽬的ですよね︖⽬的がはっきりしているのだから、わざわざ難しい⽅法を選ぶ必要はありません。禁⽌事項を並べるよりも、楽しく出来る⽅法を考えた⽅が⼦どもとの⽇々が楽しくなります。
しかし、もしかすると「いけないことはきちんと理解させなければならない」や「悪い事を教えなければなら
ない」と考えている⽅もいらっしゃることでしょう。
もちろん、本当に危険な事は禁⽌する必要がありますが、そこまで危険ではない事は楽しい⽅法で回避するの
が良いと思います。
もし、本当に危険な事で⾔い聞かせる必要がある場合は、次のポイントに気を付けてお話してみましょう。
*声のトーンは低く
*表情は真顔で
*禁⽌事項を短く端的に伝える *やめて欲しい事はその場で⾔う
声のトーンについては、普段の話す声と違う低いトーンで話すことで、真剣に話していることを分かってもら
います。
その時に表情も、笑顔ではなく真顔で︕
そして回りくどく⾔っても伝わりにくいので、禁⽌事項を短く端的に「ダメ」「いけません」等と⾔いましょ
う。
そして、その場で⾔うこともとても⼤切です。後から「あの時○○したことはいけなかったよ」と⾔っても、
⼦どもは何を⾔われてるのか分かりません。
その場で⾔うことでよりよく伝わります。
それぞれの⼦どもで、どんな⾔い⽅が伝わりやすいか、どんなタイミングで話したら分かりやすいかは違いま
す。また年齢によっても変わってきますので、ずっと同じ⽅法が有効な訳でもありません。それを探りながら
⾃分のお⼦さんにとって分かりやすい⽅法を⾒つけられるといいですね。

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