▼一人っ子が集団の中で

今回のお悩みは、一人っ子に関することです。
まず最初に、一人っ子の特徴について考えてみましょう。
良い面もあれば、そうでもない面もあると言われています。

まず、良い面ですが、おおらか、優しい、ガツガツしていない等があり、悪い面と言われているのは、わがまま、自分勝手、甘えん坊、競争心がない。。。等があげられます。

質問してくれたお母さんは、この悪いと言われている面を心配されているのでしょうね。

家庭の中に子どもが一人だと、その子どもの思いが重視され、聞き入れもらえることが多いので、わがままになることもあるかもしれません。
競争する相手がなく、一つのものを取り合う機会がないので、競争心が弱いかもしれません。
家庭の中に複数の子どもが居れば、大人の目や手が分散するところ、一人きりだとその子だけに集中するので、甘えん坊になることもあるかもしれません。

集団に入ればお友達同士の関係の中で、身につくことも多くありますが、家庭で出来ることもあります。

まず、子どもを王子様や王女様のように扱わないことです。
子どもの要求はたくさんあります。遊ぶこと、食べること、その他諸々。その全てを子どもの思い通りにさせないことです。
例えば、公園に行って遊んでいて、帰る時間が来ても「もっと遊びたい」という時があるでしょう。
そんな時、上に兄弟が居て、幼稚園のお迎えの時間がある時や下に小さい赤ちゃんが居て授乳の時間が来た時など、どんなに遊びたがっても帰らなければなりませんよね。
けれど、きょうだいが居ない場合、それならもう少しいいかな、等とのびのびにしてしまうことがあるかもしれません。
そういったことがたまにならいいのですが、繰り返し学習という言葉があるように、人は繰り返し同じ経験をすることにより学びます。自分が泣いたり、拗ねたり、ごねたりすることでママやパパが言うとおりにしてくれる、という子どもにとっての成功体験が、子どもに定着してしまうと所謂わがままな子どもに育つこともあるでしょう。

また、家庭での食事の時など、デザートにイチゴがあったとします。パパ、ママ、子どもで等分に分けたとして、子どもがもっと欲しい!と言った時、これまたたまにあげるのはいいでしょうが常に子どもの要求が優先されることはよくありません。先ほど同じ理由です。

ですから、親は毅然とした態度で子どもの言いなりにならず、いけないことはいけない、と毅然とした態度で居ればいいでしょう。

しかし、これは何も一人っ子か違うかというだけの問題ではないです。
一人っ子だろうときょうだいがいようと、様々な性格の子どもが居るのは当たり前です。
これまでに挙げた一見すると一人っ子の良くない面、これはそのまま良い面にもなります。
わがままというのは、自分の意思を持っていてそれを突き通せる、ということ。
自分勝手も同じですね。
甘えん坊というのも、誉め言葉として使われることもあります。
家庭から外の社会に出ていくとき、その活力源となるのは家庭で培われた愛されているという自信からくる自尊感情です。
それがあるからこそ、外の社会で頑張れるのです。ですから甘えん坊というのは、安心して甘える環境があるということの証明になるでしょう。
こうしてみると、一人っ子の悪い面はいい面に代わります。

そしてこれは、一人っ子であるかきょうだいが居るか、よって決まることばかりではありません。
一人っ子でも、両親が必要以上に手出し口出しをして育てた子どもと、程度な距離感を持って暖かく見守りながら育った子とは違うでしょうし、多くのきょうだいが居ても、一人一人の姿をきちんと見て、大切に育った子と、手や目をかけられずに育った子とは違うでしょう。

兄弟が居る、居ないに関わらず、親は子どもの姿をしっかりとみて、その時に必要な手助けをしていけたらいいと思います。

家庭はもちろん大切ですが、家庭だけで担えないことを、子育て支援センターや保育所・幼稚園に求めていいと思います。
是非支援センターにも足を運んでみてください!

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