▼『ママ友』との付き合い方が難しい

これは、子育て中の多くのママ達が抱える悩みの一つではないでしょうか。
そもそも『ママ友』って何でしょう?
「ママになってから、子どもの存在を通じて友達になった人」のことです。
この言葉、今ではすっかり一般的に使われていてその意味を知らない人は居ないと思いますが、いつの頃から使われるようになったのでしょう?
私の長男は現在18歳ですが、彼が産まれた時にはママ友という言葉がありました。
それ以前に幼稚園教諭として働いていた頃には聞いた覚えがないので、その頃に広まった言葉なのかもしれません。

皆さんは『ママ友』にどんなイメージを持っていますか?
もちろんどんなことにでもメリットとデメリットはありますから、ママ友にも良い面と悪い面の両方があるでしょう。
しかし、もしかするとこの『ママ友』に関しては、悪いイメージの方が多いかもしれませんね。

けれど、ここはひとつ良い面から考えてみましょう!
まず一番に挙げられるのは「気持ちを共感できること」ではないでしょうか。
初めての子育て、ミルクを飲まない、離乳食を食べてくれない、夜泣きがひどい等悩みは尽きません。そんな時同じ状況にいて、悩みを共感できる人がいて、その話が出来る事は、それだけでストレスの解消になり心強いものです。

そして「情報収集が出来る事」も良い面の一つでしょう。
哺乳瓶やおんぶ紐を選ぶとき、保育園や幼稚園を選ぶ時、公園へ遊びに行くとき、様々な場面で先輩ママなどの口コミはとても役に立つでしょう。
小学校へ入学後は、子どもが自分で連絡帳を書くようになります。みんながみんなしっかりさんなわけではなく、書き忘れや何のこっちゃ?みたいなことも多々あります。
そんな時、気軽に質問できるママ友が居れば安心ですね。
その他にもお互いが忙しい時に、子どもを預けあったり、病気の時に少しの時間でも子どもをみててもらったり、同じ境遇に居るからこそ分かりあい、助け合うことが出来るのでしょう。

では、今度は悪い面を考えてみましょう。
実際に私が見聞きしたことのある、ママ友に纏わる困った事のお話をします。

・お互いの家を行き来する仲の良い関係だったが、いつの間にか自分の家に来るばかりになった。少しのお菓子を手土産として持ってくるが、毎回来るたびに夕飯まで食べていく。
・ママ友グループがあり、そのグループの人達がみんな同じ幼稚園に入れると言っている。自分は子どもに合う合わないを考えて、違う幼稚園に入れたいと思ったが、「なんで皆と同じ幼稚園に入れないんだ?」と責められ、仕方がなく同じ幼稚園に入れることにした。
・ママ友グループのLINEグループがあるが、いつの間にか自分を抜かした新しいグループを作っていた。
・子ども同士が同じ幼稚園に通い、仲良くしていると思っていたが、子ども同士がけんかをしたら、周りの人達に自分や子どもの悪口を言われた。
・上の子のおさがりの服を、下の子の友達にあげていた。「ありがとう」と受け取るので、喜んでくれているものと思っていたら、「こんな変な服着られない」と周りに話していることを知った。
などなど。。。

今あげたのは深刻度の低い段階でのトラブルですが、日々様々なママ友に絡むトラブルを耳にしています。
先程話したことの多くは、よく話をすれば解決しそうな問題も多いですよね。毎回夕飯を食べていくママは、もしかすると歓迎されていると思っているかもしれません。
なんで同じ幼稚園に入れないんだ?と責められたママは、責められていると感じただけで、周りのママはその子どもやママの事が好きで、同じ幼稚園に通いたかったのかもしれません。
自分の気持ちを言葉に出したら解決することがほとんどなのかもしれませんね。

そもそも、なぜ『ママ友』というものが存在するのでしょうね?

人は、共通項があると親しくなりやすいと言われています。
例えば、同じアーテイストのファンだった。偶然出会った人が同じ誕生日だった。故郷から遠く離れた街で出会った人が同郷だった。。。そんな共通項があると、とたんに親しみが湧いてきませんか?

それに加えて、困難なことを共に乗り越えると絆が深まるとも言われています。
同じ部活動で厳しい指導に共に耐え抜いた仲間、一つの敵に力を合わせて共に向かっていった仲間などはとても絆が強くなりますよね。

『ママ友』というのは、同じ居住地域で、同じくらいの年齢の子どもを育てている。それだけで共通項がたくさんあります。それに加えて、特に初めての子育ては分からないことだらけで困難も伴います。
そんな状況のママ同士が出会ったら、仲良くなることは不思議なことではありません。

けれどね、よく考えてみてください。
子どもが仲良くなって知り合ったママは、子どもの友達のママです。自分の友達ではありません。
ママになってから、子どもの存在を通じて出会った人達は、ママになってから知り合った人で、最初から友達のわけではありません。
それをいちいち「あなたは、私の子どもの友達のママです」というのはおかしな話で、ひとくくりに『ママ友』と呼ぶことは全く問題ではありませんが、最初から自分の友達だと誤解することは問題だと思います。

例えばあなたが高校生だとして、入学式に行きました。
始めて出会う人ばかりの新しいクラスです。同じクラスの人全員を、すぐに「私の友達」と呼びますか?
その中で気の合う人同士が友達になっていくでしょ?中には気の合わない人もいるでしょ?そんなの当たり前なのです。
それと同じで、子どもの存在を通じて出会った人達は=友達ではなく、出会った人の中で気の合う者同士が友達になっていくのではないでしょうか。

そもそも他人なのだから、子育てに関する考え方が違うのは当たり前です。金銭感覚や人との距離の取り方等、違うのが当たり前で、同じだったらおかしいでしょ。
自分と他人は「違う」という当たり前のことを忘れずに付き合っていると、あなたはそうなのね、私はこうなのよ、で済むところが、「なんでこうじゃないの?」「どうして分かってくれないの?」「普通こうなのに、あの人おかしいわ」等となってしまいます。

更に『ママ友』という言葉に騙されて、友達だなんて勘違いをしていると、自分と考え方が違ったり、思い通りにならない時に「友達なのにどうして。。。」「友達だからこうすべきだ。。。」等と考えてしまうかもしれません。

これはママ友の世界に限った事ではなく、人と付き合うときには常についてくる問題かもしれないですね。

そこで!こんなことに気を付けてみましょう。

*自分は自分、人は人
*子どもの友達のママは子どもの友達のママ。最初から自分の友達ではありません。
*『ママ友』という括りの友達は、絶対に必要な存在ではありません。無理して作る必要なし。
*必要最低限のマナー(挨拶をする等)は忘れずに

ママになって出会ったからって、それまでと違う人付き合いをする必要はないと思います。
自分に合う人、合わない人が居るのは当たり前です。ママになってから知り合った人に、丁寧に接していくことで、気の合う人がいれば友達になったらいいでしょう。
何事も無理する必要はないのですから。

FOLLOW ME